10.それは恋にも似た思い (佐竹・山岡)
丸いボールがリングをくぐった瞬間に思わず「タッチダウン」と言ってしまった自分に気付いて、俺は右手で口を覆った。ばっちり聞いていたらしい我が盟友は、呆れた顔でこちらを見ている。
「お前さあ、もしかしなくてもアメフト好きだろ」
「バッカ!俺が好きなのはまもりさんだ!」
だってそうだろう、俺達はあの女神様のために助っ人をしに行くんだ。全てはまもりさんのため。どうしようもないアメフト部に舞い降りた天使、すなわちまもりさんの麗しい笑顔こそが全てだろう!
そう力説すれば我が盟友は「そうだよな!」と大いに頷いてくれたので、俺は安心した。